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思えば、俺は刺激が欲しかったんだと思う。
恋人と呼ぶには、あまりにマンネリ化した俺達の関係に。
一緒に暮らそうと決めて、毎日他愛もない会話に浮かれていた2人は、いつしか喧嘩が絶えなくなって、口数が減っていき、肌を重ねる事すらもしなくなっていた。
安定を望んでいたくせに、安定という穏やかな波の海に飽きて、刺激が足りないと自ら火の海に飛び込んで火傷を負い、取り返しのつかない事をしたと嘆くのだ。
なんという、愚かな生き物だろうか。
こうして残る物と言えば、後悔の念しかないと分かっていた筈なのに。
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