幻想、時の流れ

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そんな僕が、小雪と出会ったのは、まだ寒さも残る春前の真夜中の公園だった───。 どこにでも見かけるような、ごく普通の「みかん」と書かれたダンボール箱に、マジックペンの太い方で「ひろってください」とかかれているダンボール箱があった。 その中で、白いワンピースを着た、小学生ぐらいの小さな女の子が、じっと下を向いたまま、体育座りをしていた。 その時の僕は、なぜか、無意識の内に女の子の入っているダンボール箱に向かって歩いていた。
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