幻想、時の流れ

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「なんですと…!? 君は記憶喪失ですかッ! 本当に何も覚えてないの?」 「――何も覚えてない訳ではないような……。」 「なら、家の場所とか家族の事とかは、思い出せる?」 「う~~ん。よく分かんない…。でも何か、こう凄くポカポカ暖かくて気持ちよかったような……。 でもそれがどこだか分かんない…。」 そう言って女の子が、うつむいた時だった。 冷たい一筋の風が吹き抜けていった。 「くちゅん。」 女の子が小さな、くしゃみをした
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