幻想、時の流れ

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「だ、大丈夫?」 「う、うん…。」 震えながら返事をする女の子。 「あっ、そうだこれ、君にはちょっ大きいかもしれないけど…」 僕は着ていたダウンを脱いで、女の子に着せた。 「にゃッ!?これ凄くポカポカして暖か~い♪」 女の子は笑顔でそう言った。 「そう、それはよかった。」 僕は女の子に微笑みながら思った。 (そうだ――、この子の帰るべき場所もこんな風に、暖かくて、ぬくもりのある所なのだろう…。 きっと―、そうだ。 だったら、僕がこの子の帰るべき場所を見つけて、あげないと。)
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