途切れない気持ち

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親父の意見は絶対。 それは、小さな時から変わらない事。 学校だって全て親が決め、俺はその見えないレールの上を歩く。 そして、今回の大学受験。 別に大学へ行く必要はねぇが、行った方が社会的評価が上がる。すなわち、俺が会社を継ぐならば、会社の為にも行かなければならないのだ。 そうして決められた大学というのが……… ロンドンだった。 向こうで親父の慕う人が教授をやっているらしく、そこに決められた。 はっきり言って、嫌……だった。 初めて親父を憎んだ。 どうして……どうしてって…………!!!!! だが、そんな事言えるはずが無かった。 これからの跡部グループの為にも俺がロンドンへ行かなければならないなんて、重々分かっていたから。 ロンドンへ行く……すなわち、侑士と会えなくなる。 侑士には話したが、笑って頑張りやと、一言だけだった。 侑士とは離れたくない……だけど、侑士はそれだけだった。 心のどこかでは、止めてくれる事を期待していたのかもしれない。 でもそれが侑士の言葉だと……俺は受けとめた。 そうだ……卒業式の日には、俺のバッチを渡そう。 そのバッチ一つで、侑士といつまでも繋がっていられるなんて保障はないが、これくらい………な?
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