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「……俺も立派な男になって、侑士にもう一度惚れさせてやるよ。」
「………楽しみやわ。」
そう侑士は言うと、俺の唇にそっと口をつけた。
いつもよりずっと近くにある侑士の顔。ずっと見ておきたかったが俺は目を閉じた。
甘く、優しいキス。
それに酔いしれる為に。
*****
「あっ、侑士。アレ渡さねぇと。」
中等部の校舎から高等部の校舎へ帰る途中、俺は大事な事を思い出した。
「………アレ?」
ポカンとした侑士を余所に、ごそごそとポケットを探る。その存在を確認し、ゆっくりと取り出した。
鉄製の氷帝マークのついた………
「バッチ………?」
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