途切れない気持ち

17/19
前へ
/32ページ
次へ
「コレ、お前にやるよ。」 ポケットに突っ込んでいた侑士の手を無理矢理抜き出し、握らせた。 その後に侑士は、無理矢理閉ざされた手の平を広げ、真ん中にある小さなバッチを見つめた。 しばらくして、侑士はこちらに向き直した。 「男子って……好きな女子とかに、第二ボタンとかやるんだろ!?だが、うちはブレザーだからそのバッチを………」 「ハハッ!!!」 はぁ!?!? コイツ笑ってやがる…? 「おいっ!!なんで笑ってやがる!!!!」 「あぁ……ごめん。いや、な?まさかお前がそんな可愛い事するとは思わんかったからさ。」 そう言って、侑士はまたクスクスと笑いだした。 「そっ……そーゆーもんなんだろ!?!?かっ…返せよじゃあ!!!」 やべっ……すげぇ恥い… バッチを取り返す為に腕をのばす。 しかし、器用に侑士はそれをよけた。 「……いやや。もう俺のもんやから。ありがと。」 そういって、侑士は片方の手で俺の頭をわしゃわしゃ撫でた。 喜んで……もらえたのだろうか……? 「これ持って、待っとくな。」 そう言うと、侑士はまた歩きだした。あの大きな背中をこちらに見せて。 侑士………愛してる。 だから、待っててくれよ。 “いざさらば”
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加