途切れない気持ち

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***** 侑士が足を止めた。 懐かしいあの場所が、目の前に広がっている。 「やっぱ……ここか…」 「景吾と最後に行くなら……ここしかあらへんやろ?」 紫色に染められた、あそこ。 俺達が初めて出会った、あの場所。 コートだ。 「ラッキーやなぁ。卒業式の日は中等部は休みやし、クラブも無いから独り占めやで?」 風がザァッと吹く。 誰もいないコートを見つめる二人………そんな二人の髪を静かに風は揺らしていった。 「……入ろか。」 侑士が呟いた。 「はぁっ!?鍵かかってるに決まって………」 入れる訳ねぇだろ!?!? 「………ちゃうって。柵……俺らなら……出来るやろ?」 はぁ………?
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