序章a‥夢の始まり

4/4
前へ
/181ページ
次へ
"何だよこれ…" 少年はとうとう歩くのをやめた。冷や汗が頬を伝って滴り落ち、心臓は音もなく鼓動を速める。 "ちくしょ…!!" と叫んだ。 はずだった。 しかし、喉から声は出ず、代わりにキーン…という耳鳴り。 次の瞬間、遠くで何かが輝き、ものすごい風が吹いて少年を吹き飛ばそうとした。 その風の音は少年の耳をゆさぶり、直後襲ったとてつもない光が、その目に焼き付く。 地面は消え失せ、支えをなくした少年の体は、あっけなく風に飲み込まれていった。 "くっそ…飛ばされる………何とか…誰か――――!!!" その時、見知った姿が遠くにちらっと見えたように感じた。 「なぎさあぁ!!!!!」 強く強く、少年は叫んだ。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加