第十章 星影の本性

6/21
前へ
/394ページ
次へ
典禁の報告を怪しんだ法信はミシェルへの面会を固く禁じていた。 それは有能な典禁が詳細を省き、結果のみを報告した事に疑問を抱いたからである。 つまり典禁がミスを隠蔽した事が思わぬ妨げとなったのだ。。 星影「法信は巡視に出ていて三日後に戻る予定だ。それまで待つ訳にはいかぬか?」 法信が留守にしている事を知った孔延はひとまず安堵した。 しかし法信が戻ればミシェルとの面会が危ぶまれる。 そう考えた孔延は一か八かの賭けに打って出た。 孔延「残念ですが急いで平北に戻り、智国との戦いに備えねばなりません。平北は王巍ほど強大ではなく、人材も不足していますので」 孔延は急ぐ事を強調しつつ星影の機嫌を窺った。 そのため星影は満足気な笑みを浮かべたのである。 そして孔延は強烈な言葉を言い放った。 孔延「ですが、それはミシェル様の御姿を確認した場合の話です。今は典禁殿の話を信じるのみ、面会できねば約束も疑わしく、平北が動く事は無いでしょう」 これに星影の表情が険しくなった。 平北が動かねばミシェルを使う甲斐がなく、計画も水泡に帰すからである。 星影(平北が動かねば元も子もない。面会するだけなら良いだろう)
/394ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1013人が本棚に入れています
本棚に追加