第七章 相対する麒麟

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詩鳴は曇らせた表情を僅かに和らげた。 どうやら少しは気が楽になったようである。 詩鳴「詳しくは分からないのですか?」 詩鳴の問いに宝城は残念そうに答えた。 宝城「情勢が情勢だけに病状は秘匿しております。さすがに聞き出す事は出来ませんでした」 詩鳴「そうですか」 詩鳴は目を瞑って小息を吐くと、宝城を見て礼を述べた。 詩鳴「ありがとう宝城、おかげで少し気持ちが楽になりました」 宝城「有り難き御言葉、微力なれど今後も尽力いたします」 宝城は平伏して感謝した。 詩鳴は頷いて感謝を受け止めた。 そして立ち上がると決然として言った。 詩鳴「明日は流星とアルフェルドを供に宮殿へと出向きます。皆は各地の情勢に気を配り、出発の準備に取りかかって下さい」 「ははっ!!」 全員平伏して了解の声を上げた。 一心同体、皆の心は一丸となって事に望もうとしていた。
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