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詩鳴は曇らせた表情を僅かに和らげた。
どうやら少しは気が楽になったようである。
詩鳴「詳しくは分からないのですか?」
詩鳴の問いに宝城は残念そうに答えた。
宝城「情勢が情勢だけに病状は秘匿しております。さすがに聞き出す事は出来ませんでした」
詩鳴「そうですか」
詩鳴は目を瞑って小息を吐くと、宝城を見て礼を述べた。
詩鳴「ありがとう宝城、おかげで少し気持ちが楽になりました」
宝城「有り難き御言葉、微力なれど今後も尽力いたします」
宝城は平伏して感謝した。
詩鳴は頷いて感謝を受け止めた。
そして立ち上がると決然として言った。
詩鳴「明日は流星とアルフェルドを供に宮殿へと出向きます。皆は各地の情勢に気を配り、出発の準備に取りかかって下さい」
「ははっ!!」
全員平伏して了解の声を上げた。
一心同体、皆の心は一丸となって事に望もうとしていた。
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