第七章 相対する麒麟

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典禁「いえいえ、孔延殿には遠く及びません。流星軍師の片腕として輝かしい数々の功績、私こそ会えて光栄で御座います」 互いに称え合う孔延と典禁。 しかし胸中では互いに意識し合い、ただ者でないと一目置いていた。 すると微笑ましく見ていた詩鳴が孔延に歩み寄って再開を喜んだ。 詩鳴「久しいですね孔延、相変わらず壮健そうで何よりです。しかしなぜ貴方が宜府に?」 孔延は深々と拝礼すると笑顔を浮かべた。 目尻にはうっすらと涙が溢れている。 孔延「ご無事で安堵いたしました。今日まで安全を祈願してまいりましたが、願いが叶い無上の喜びで御座います。実はたまたま京洛を視察していたところ、鴉が詩鳴様の所在を伝えに来たのです」 詩鳴「そうですか、鴉が…」 詩鳴は偶然が重なって孔延が訪れた事を素直に喜んだ。 また各地の情勢を調べ回っている中で機転を利かせた鴉にも素直に感謝した。 孔延「宮殿に参りましたら流星軍師とアルフェルド将軍は師事の最中。邪魔するのも悪いと思い、失礼を承知で詩鳴様に会いに参りました」 詩鳴「失礼などと、全く問題ありません。孔延も一緒に茶を楽しみましょう」
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