第七章 相対する麒麟

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詩鳴が着座を促すと孔延は素直に従った。 これで典禁は完全に機を逸してしまったのである。 するとテーブルに置かれた書状が孔延の目に止まった。 孔延「詩鳴様、これは?」 詩鳴「星影からの書状です」 詩鳴は事の経緯を孔延に話した。 すると孔延は沈黙して聞き入り、瞑目して思案した。 典禁にしてみれば予期せぬ事態であり、最悪の状態である。 孔延「…………」 思案する孔延に注目する詩鳴と典禁。 もはや茶会の雰囲気は微塵もない。 茶室には緊張感が漂い、今や遅しと孔延の言葉を待っている。 特に典禁にとってこれ以上最悪の事態になる事は絶対に避けたい。 そのため平静を装いつつ内心恐々とし、ただただ祈るばかりだった。 そして孔延は考えがまとまったのか、ゆっくり目を開くと詩鳴に進言した。 孔延「詩鳴様、この提案は受けるべきで御座います」 典禁「なっ…!?」 思わぬ言葉に典禁は驚きを隠せない。 詩鳴も驚きこそせぬものの、やはり意外そうな表情を浮かべている。 しかし孔延は眉一つ動かさず、真剣な表情で言葉を続けた。
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