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詩鳴「孔延」
孔延「はい」
詩鳴「典禁」
典禁「は、はい!」
不意に声をかけられ典禁は慌てた。
すると詩鳴は二人に頭を下げた。
詩鳴「ありがとう。私は貴方達臣下をもっと頼るべきでした」
反省の弁を語る詩鳴に孔延と典禁は頭を下げた。
もっとも、典禁にしてみれば緊張で背中に冷や汗がにじみ、一言一句に胸を締め付けられる思いだった。
詩鳴は頭を上げると決然と言った。
詩鳴「孔延、貴方の進言通り星影の提案を受け入れます」
孔延「御意」
孔延は凛として拝礼した。
典禁はというと安堵で胸がスーッと楽になり、冷や汗を拭って吐息を漏らした。
さらに狼狽の色は消え失せて平静さを取り戻している。
詩鳴「典禁、直ちに王巍の使者に承諾したと伝えて下さい」
典禁「ははっ!!」
典禁は拝礼すると立ち上がった。
孔延「お待ち下さい!」
孔延が典禁を引き止めた。
典禁「なにか?」
典禁は怪訝そうに孔延を見た。
孔延「使者にお伝え下さい。後日私が親書を持ってお伺いすると」
典禁「かしこまりました」
典禁は孔延の考えを見抜いたが、敢えて伝える事を承諾した。
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