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典禁が席を外した茶室では詩鳴と孔延が向かい合って話を続けた。
詩鳴「孔延、親書の使者に立つのはミシェルに会うためですね?」
孔延「御賢察通りで御座います」
孔延は人の良さそうな微笑みを浮かべた。
孔延「詩鳴様、星影は我の強い男で御座います。ゆえに使者となって釘を刺し、ミシェル様の安全を計りたいと思います」
詩鳴は孔延の考えを理解した。
そのためか安堵して頷いている。
詩鳴「わかりました、星影に宛てる親書を書いておきましょう」
孔延「ありがとうございます」
孔延は軽く会釈した。
すると席を外していた典禁が茶室に戻った。
そして軽く会釈して報告した。
典禁「ただいま戻りました。使者は詩鳴様の返答を受け、先ほど王巍に帰国いたしました」
詩鳴「ご苦労様でした」
詩鳴は労をねぎらうと椅子から立ち上がった。
詩鳴「ではそろそろお暇しましょう」
典禁「詩鳴様、無粋なもてなし失礼いたしました」
典禁は詫び入るように深々と頭を下げた。
しかし詩鳴はやんわりと慰めた。
詩鳴「いいえ、貴方は利用されたに過ぎません。気にせず京洛に尽力して下さい」
典禁「ははっ!!」
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