【幻想戦国記】第四部《激突編・前編》

第九章 通い合う想い

流星「彩紋は博識で考察力、洞察力、そして判断力が非常に優れている。しかし優秀さが災いして一旦思い込むと融通が利かぬ」

当たっているだけに彩紋は何も言う事が出来ない。

流星「だがその才覚は孔延、ユアン、春華に勝るとも劣らぬ。内政、外交、謀略面で必ずや詩鳴様の力添えとなろう」

長所と短所を指摘しつつ、重臣と比較して流星は彩紋を褒め称えた。

そして流星は霧斗に視線を向けた。

何を言われるか解らぬため霧斗は戦々恐々としている。

流星「霧斗、お前は機知に富み、分析力、内政力に優れている。更に人の長所を伸ばし、短所を補う才覚もあろう」

流星の言葉に霧斗は安堵の表情を浮かべた。

流星「しかし己に対する自信の無さが才能の光を失わせている。自信さえ持てば将来的に周嘉と並ぶ宰相となろう」

気にしている短所を突かれ、しかし最高の賛辞を受けて霧斗は複雑な表情を浮かべた。

次いで流星は蒼夜に視線を向けた。

当然ながら蒼夜の表情は固く厳しい。

流星「蒼夜は意志、剣技が群を抜いている、さすがは若くして剣聖と呼ばれる武人だ。特に統率力と実直勤勉さは目を見張るモノがある」

意外に褒めが多いが蒼夜は固い表情を崩さない。