1013人が本棚に入れています
本棚に追加
流星「しかし情に脆いのが欠点だ。かつて星影と互角に戦いながらも敗れたのは部下に甘く、厳しく罰する事ができなかったからだ!」
これに海炎は瞑目して顔をしかめた。
流星「それゆえ部下の心にオゴリが生じ、そこを星影に漬け込まれたのだ。上に立つ者は時として心を鬼にせねばならぬ!」
流星の厳しい指摘に海炎は深々と頭を下げた。
流星「良いかお前達」
穏やかながら厳しさを含む呼びかけに海炎達は視線を向けた。
流星「これからの戦略でお前達の才覚は重要になるだろう。ゆえに欠点を克服し、詩鳴様の覇業を支える力とならねばならぬ!」
この言葉に海炎達の表情は一様に引き締まった。
その顔からは一切の不安が消え失せ、並々ならぬ覚悟がみなぎっている。
そして面構えを見た流星は満足気に頷いた。
それは何かに納得したような頷きだった。
すると彩紋は流星の頷きに違和感を感じて問うた。
彩紋「軍師、なぜ頷いたのですか?」
この問いに海炎達は怪訝な顔を向けた。
問い掛けの意味が解らないからである。
しかし流星は彩紋の問いが当然とでも言うように笑った。
最初のコメントを投稿しよう!