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流星「フフフッ、さすがに目ざといな。左様、その理由は三つ目の意味にある」
彩紋「三つ目の意味ですか?」
もはや思い当たらないのか、彩紋は思案せずに流星の言葉を待った。
流星は極めて真剣な口調で言った。
流星「今度の策を用いた要点はここにある。そして、それこそが詩鳴様のもっとも危惧された難点だ!」
途端に海炎の表情は陰(かげ)った。
なにやら思い当たる節が有ったのだろう、冴えない顔で奥歯を噛み締めている。
その微細な変化を感じ取った流星は冷静な口調で続けた。
流星「お前達は王巍領内で詩鳴様に忠誠を誓った。しかし、それは苦境を脱する手段という思慮が有ったに過ぎん」
海炎は腹蔵を突かれたように嘆息した。
そして流星を見据えて胸の内を打ち明けた。
海炎「仰る通りです、確かに初めは苦境を脱する手段と考えていました。王巍を抜け出せば恩を返して消え去る腹積もりだったのです」
これに彩紋達も表情を陰らせた。
しかし流星は平静として海炎を見据えている。
その表情には怒りや侮蔑といった感情は微塵も無い。
ただただ海炎を観察するように見ているようである。
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