第九章 通い合う想い

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海炎「軍師、今一つだけお伺いしたい事が御座います!」 海炎の声に流星は歩みを止めた。 そして振り向かずに言った。 流星「何か?」 海炎「なぜ詩鳴様の剣で私は斬られなかったのですか?あの間合いでは到底避ける術は御座いませぬ」 海炎のみならず彩紋達も同様に腑に落ちぬ顔を浮かべている。 しかし流星はフッと笑って素っ気なく答えた。 流星「詩鳴様が仰ったではないか、天命がお前達を生かしたのだと。フフフッ、私もそう思う」 そう言うと流星は海炎達を残して幕舎へと去って行った。 海炎達は不思議な感覚にとらわれつつ、天命という言葉に感銘を受けていた。 そして海炎は立ち上がると天を仰ぎ、晴れ晴れとした表情で呟いた。 海炎「天命か…まさに私怨を棄て、詩鳴様に尽くせという天の啓示だったのかもしれぬ」 彩紋達も立ち上がると海炎に並び、天を仰いで晴れ晴れとした表情を見せた。 そこには過去の私怨にとらわれた海炎達は居ない。 詩鳴と共に新たな世を創らんとする勇者の姿がそこに在った。 そして、海炎達は改めて互いの絆が強い事を喜び合い、義兄弟の契りを交わしたのだった。
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