第九章 通い合う想い

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流星「うわっ!!」 思わず流星は悲鳴を上げた。 なぜなら身を斬り裂かれた感覚を受けたからである。 しかし詩鳴が持つのは羽扇である。 身を斬り裂くどころか傷一つ付いたりしない。 そう頭で分かっていても感覚は鮮明である。 そのため流星は驚きを隠せず、冷や汗を流して詩鳴を見た。 すると詩鳴は微笑んで流星を見ている。 流星「し、詩鳴様…こ、これは一体……」 冷静沈着な流星が狼狽えているのを見て詩鳴は思わず失笑した。 詩鳴「フフフッ、少し悪戯が過ぎましたね」 そして何か言おうとする流星を手で制し、気を落ち着かすよう促した。 それからおよそ二分弱、流星は呼吸を整えて冷静さを取り戻した。 すると詩鳴は穏やかな口調で流星に告げた。 詩鳴「流星、今度はゆっくりと同じ動作をします。よく見ていて下さい」 そう言うと詩鳴は再び羽扇を高々と掲げた。 しかし特に変わったところは見受けられない。 すると流星は ふとある事に気付いた。 流星「これは……」 流星が気付いた点、それは羽扇を握る部分が極端に短い事だった。 そのため羽扇が妙に長く見えたのである。
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