第十章 星影の本性

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王巍の首都 竜天閣。 大陸の中央に位置しており、平北、鳳英、覇燭を睨むように建造された都である。 ここには大陸と外国の文化、宗教、人種、食品に至るまで様々な物が集まっていた。 街並みは和洋折衷の建物が並び、宮殿は西洋風に造られている。 その都を孔延は星影に謁見すべく宮殿に向けて歩いていた。 孔延「なんて巨大な都だ。さすがは強大国王巍、文化、資本共に新興国である平北と比べて一日の長があるな」 孔延は辺りを見回しながら感嘆した。 しかし見る目は極めて冷静だった。 孔延「だが平北の発展は著しい、そう遠くない未来に逆転する事は可能だろう」 孔延は笑みを浮かべつつ宮殿へと入って行った。 孔延「これは…凄い……」 孔延は絶句した。 なぜなら宮殿は贅を尽くした豪華な造りだったからである。 大理石の床に柱、装飾は金で施され、並ぶ彫刻や調度品は国宝級の品々が並んでいる。 そして星影の待つ王座の間に向かう通路には甘美な香の匂いが漂っていた。 これに孔延は内心呆れ果てた。 孔延(これほど贅沢するとは、王座の財政はよほど潤沢なのだろうか)
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