第十章 星影の本性

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孔延(なんと野心的なのか…詩鳴様の暖かな覇気とは相反する禍々しさよ) 平静としながらも孔延は星影という巨人に胸中恐ろしさを感じていた。 すると星影は西洋風の玉座に横柄な態度で座ったまま訊ねた。 星影「平北の使者が何用だ?」 これに孔延は凛とした態度で望んだ。 孔延「この度の共同作戦に際し、平北国国王 詩鳴より親書を預かって参りました」 星影「なんだと?」 星影は片眉を僅かに動かした。 なぜなら共同作戦は秘密裏の工作だったからである。 しかも典禁から詳細な報告を受けておらず、星影は典禁が失敗したと勘ぐったのだった。 しかし孔延は気付かぬ素振りで侍中に親書を渡した。 そして侍中から親書を受け取った星影は一読すると笑みを浮かべた。 星影「フフフッ…平北王の御協力感謝する。我が王巍と共に智国を討ち滅ぼそうではないか!」 孔延「有り難きお言葉、平北王に変わり感謝いたします」 孔延はへりくだるように深々と拝礼した。 それが星影の自尊心を増長させたのである。 そのため星影は気分が良くなり孔延に問い掛けた。 星影「ところでお主は平北国の軍師 流星の片腕らしいな。我が王巍をどう見るか?」
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