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孔延は俯(うつむ)きつつ辺りを一瞥した。
すると幸いにも法信の姿が見えない。
孔延(星影は上機嫌で警戒心が薄い。交渉するなら法信の居ない今しかない)
そう決断すると孔延は微笑みを浮かべて星影に答えた。
孔延「いやはや驚きの連続で御座います。都は文化が栄えて華やか、宮殿は豪華絢爛で眩く、王巍の臣下は品行方正で舌を巻くばかり。平北国では有り得ぬ光景で御座います」
そう言うと孔延は深々と拝礼した。
内心では我ながらよく嘘八百を並べ立てたと感心しながら……。
しかし星影はますます上機嫌となり高らかに笑った。
星影「ハッハッハッハッハッ!!孔延よ、お前は正直な奴だな!」
玉座に座ったまま笑い続ける星影。
これに孔延は好機とばかりに嘆願した。
孔延「事実を言ったまでで御座います。ところで竜王様、ミシェル様と面会したいのですが」
星影「なに?ミシェルにだと?」
途端に星影は笑いを止めて真顔になった。
そして眉間にシワを寄せて何やら悩み出した。
これに内心焦った孔延は平静を保ちつつ訊ねた。
孔延「どうかなされましたか?」
星影「うむ、実は法信に面会を厳しく止められていてな」
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