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「ちょっと。」
「…ハァ…。どしたの、山崎先輩…?」
「君が帰った後に進藤さんが来たの。」
「…。ああ、あの美人さんね。…それが…?」
「あの人、君が実は素人じゃないって言ってるんだけど?」
萩原は笑った。
「おいおい…。実はも何も、俺は自分が素人だなんて、一言も言ってないんだぜ…。馬鹿みたいに振込む俺を先輩方が勝手に素人視したんでしょ。」
そう言われると、山崎はこの事には何も言えなくなった。
「と、とにかく、今日もヒマなんでしょ。来てよ、面子が足りないの。」
「…俺はあのサークルに入ったつもりはないんで。進藤って人が来るまで俺の振込みが差込みだと気付かないような奴らとやっても面白くないでしょ…。それに今日は気分じゃないんで…。それじゃ。」
そう言うと、彼は歩き出した。
「進藤さんとのサシ勝負なら?」
萩原は歩みを止めた。
「…強いの、その進藤って人は…?」
「プロの大会で、一般枠で参加するような人よ。」
萩原は彼女の方に向き直った。
「……半荘1回。それ以上はゴメンだ。」
山崎は嬉しそうな顔になって頷いた。
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