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雀荘への途中、彼女は彼に聞いてみた。
「何で、あんな打ち回ししたの?」
「フフ…。何でなんだろうね…? ひねくれ者だからかなぁ…、俺。あれの方が普通に打つより楽しいって感じてるんじゃないの? フフフ…ッ。」
「……萩原君、友達いないでしょ。」
萩原は苦笑した。
「ええ、いませんよ。こんな性格、知ったら誰だって愛想なんて尽かすさ…。実際、今回の麻雀だって先輩方をおちょくった仕返しみたいな物なんでしょ…? 進藤に俺を負かさせるつもりだ。」
山崎はうつむき加減になった。
「実は…まぁ…そうなんだけどね。」
「愛想よくしてる山崎先輩も心の中じゃ、俺が負けるよう願ってるってわけだ。」
そう言われると、山崎は慌てて否定した。
「そ、そんな事ないよ! 少なくともあたしは萩原君を応援してるよ!?」
「…ふーん。ま、本人を前にしちゃ言えないからな。」
「なっ…! …ほ、本当だってぇ…!」
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