―悪癖―

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山崎は嬉しさを顔一杯に出して、萩原の両手を握っていた。 「萩原君、ありがとう! 勝てた! あたし、勝てたよ!」 萩原は微笑んだ。 「フフ、どういたしまして…。」 山崎は手を離した。 「じゃあ、山崎先輩。俺はこれで帰ります。じゃあ。」 「あ…、うん。またね…。」 萩原は雀荘の出入り口に向かって歩き出したが、途中で立ち止まった。 「萩原君…? どうかしたの…?」 萩原はニヤリとした。 「ちょっと、ね…。」 そう言うと、彼は休憩所へ向かった。 (萩原君…?)
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