996人が本棚に入れています
本棚に追加
/807ページ
山崎は後輩に、しかも初対面なのに『あんた』呼ばわりされた事に少し戸惑った。
しかし彼女は無理矢理、笑顔を浮かべた。
「は…、萩原君って麻雀出来る? もし、出来なくても興味があるなら、よかったらあたし達の仲間にならない?」
萩原の眉が一瞬、動いた。
「……出来ない事はないけど…。でも、うちの学校に麻雀部なんてあった…?」
山崎は首を左右に振った。
「サークルよ。個人的な集まり。だから、この高校のOBの大学生もいるわ。でも人数が少なくて…。うちの学校、帰宅部の生徒がほとんどいないから…。萩原君って帰宅部なんでしょ? もう丸1年も新入りがいないから、メンバーもなんかマンネリ化してきちゃって…。」
すると、彼女は頭を深々と下げた。
「お願いっ! このままじゃあたしがまた1番後輩になっちゃうの! あたしを助けるためにも、うちのサークルに入って!」
萩原はため息をついた。
「別に入ってもいいけど…。2つ、断りを入れとくよ…?」
「何でも言って!」
最初のコメントを投稿しよう!