短編

赤信号

なぁ、なんでお前そんな勉強すんだ？

そりゃあ、まあ大学いくのが取りあえず目標だから。

ふ～ん。

それよりテスト勉しないの？期末だよ期末。

いいよそんなの。

テスト明日なのに？

めんどくせえし、俺なんかどうせまた赤点だからなぁ。

おいおい。

だいたい今更テスト勉なんてしたって変わらないだろ？

そんなことないって、少しでもやっておけば点数上がるよ。

いや、俺授業もまともに聞いてなかったし全然分かんねえから無理だわ。

そんな簡単に諦めるなよ？何だったら教えるけど？

教えてくれるってのはありがたいけど、テスト明日だぜ？

今からだって、頑張ればまだ間に合うって。

ん～でもなー、俺は赤信号渡る気はないね。

どゆこと？

もし、少し離れた所にある信号が赤になろうとしてるってときにお前わざわざ急ぐか？

うん、急ぐ。俺ならぎりぎりまで走り続けるな。

ん～、ぎりぎりまでねぇ。

そう、ぎりぎりまで。たとえ間に合わないと分かっていても最後まで走り続けなきゃ。

懸命だな。

普通はそうだよ…。まあ…なにもしないで終わるより、結果が悪くても頑張ったって思えることが大切なんじゃないかな。

そうか？

そうだよ。試しに少し頑張ってみたら？

そうか…なら、少しやってみるかぁ。

よしっ、なら、ほら教科書出して。

お、おぅ。

やっべー！寝坊した～！
なにやってんだよ俺！
今日テストなのに初日から遅刻かよ～。

ガチャ…バタン！

タッタッﾀｯ…ﾀ…ﾀ……

あれ！？前の信号が赤になりそうだ！
ぅあ～最悪、もう間にあわねー。諦めよっと。

ッ！！じゃなくて！最後まで諦めず走り続けるんだ！

「ぅぉおおおおおーーー！！！」

キキーー！！ガシャン！！！

ピーポーピーポー…