高橋一葉【かずは】

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第1話【食堂】 沢山の生徒で賑わう食堂に、一人の【女生徒】が、席を探していた。 彼女の名前は、高橋一葉【かずは】 この大学に通う、高橋三姉妹の【次女】だ。 (結構、混んでるなぁ。空いてる席無いじゃない) いまだに、席を探していた彼女の目の前で、一人の女生徒が席を立ち、退席した。 (あ、お姉ちゃん…) 一葉の姉、高橋彰子【あきこ】は、目の前の男子生徒と、少しだけ会話をして、食堂を出て行った。 (あれ?宗佐じゃん。珍しい、組み合わせねぇ) 姉が、話していた相手は、同じクラスの、木戸宗佐【そうすけ】だった。 (昨日のお礼しておこうかな?) 一葉は、宗佐の隣にトレイを置き、 「隣、良いかな?」 「どうぞ」 「ありがとう」 宗佐の隣の席に座った。 「お婆ちゃんが、迷惑かけたみたいで、ゴメンね」 「いや、迷惑では…」 「ま、アンタがお人好しなのは、【宏美】から聞いてたし、悪いことではないと思うよ」 「どうも」 「それでさ、お婆ちゃんが、家に連れて来いなんて言ってるんだけど、どうかな?」 「一葉の家にか?」 「…うん」
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