-壱章-~喪失の復讐者~

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―その少女は中等部の制服を着て、学年を示す腕章の色は赤、三年生らしい   「君は確か…」 「あ、はい!中等部3年の朝倉です」   朝倉という少女は明るく自己紹介をした   「―それで、話というのは?」 神崎は眼鏡を中指で押し上げながら聞いた   「えっと、その…この件で桐羽先輩は悪くないんです!」   「…それはどういう事だ?詳しく聞かせて欲くれ」 「はい、昨日私は弟く…じゃなくて!隣家の桜内君と帰ってたんです」   妙な訂正を入れながら朝倉は話を続けた   「それで商店街を抜けた辺りで私達、ガラの悪そうな人に囲まれてしまったんですけど…」   朝倉は一拍、間を開けて   「桐羽先輩は私達を助けてくれたんです!」  
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