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「―雑魚か…」
"黒"を纏う人間―16、7ぐらい少年は舌打ちしながら呟いた
―少年はロングコートの様な黒衣を纏い、右手には刃までも"黒い"刀が握られていた
そして氷の様に冷たい眼で"化物"を見下す
―"化物"は短い手足、頭には小さな角という、TVゲームに出てきそうな"小鬼"の様な姿をしていた
小鬼は左腕を切り落とされジタバタともがいていた
少年は黙ってそれを見下し、口を開いた
「"青銅の焔"を知っているか…?」
小鬼の返事は…
「ピギャギャ?」
だった
「雑魚な上に言語能力も無し、か…」
―少年の目つきが鋭くなる
「…なら、もう貴様に用は無い」
―少年の持つ刀が黒い"炎"に変わり、その"炎"はまた別の形を作り出す
―死神の持つような"鎌"へと
「―消えろ」
死刑宣告の如く吐き捨て、少年の鎌は小鬼を切り裂いた
小鬼は断末魔を上げ、そして灰の様な粒子になって消滅した
「…」
少年は鎌を持ちながら月を見上げる
「いつに…いつになれば貴様らを殺せる…」
「"青銅"…」
答える者はいない
―月だけが死神の様な少年を照らしていた
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