-壱章-~喪失の復讐者~

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―俺にとって世の中なんて無意味な物だ…   政治、経済、芸能などといった物も、学校の授業と同様なもんだ   ―俺の名は桐羽 統夜(きりう とうや)、この私立高校、光聖学園の2年だ   教室には教師が黒板に字を書く音、それを生徒がノートに書き込む音、生徒同士の会話が聞こえてくる   俺にとっては雑音でしかない   俺は窓側最後列の席でさっきから窓の外を眺めている   ノートなど書くはずがない   そんな俺を、別に教師は注意はしない 俺に話しかけてくる生徒もいない   一部の"例外"を除けば、この学園で俺に関わろうとする者はほぼ皆無だろう   むしろその方が俺にとっては好都合だ   去年など、交際を申し込みにくる名も知らない女子や、相手の力量を測れずに絡んで来る不良などの類が俺の元に寄ってきた ―正直に言って目障り以外の何でも無かった   だから俺は、それら全てを排除した ―渡された恋文は破り捨て、絡んで来た不良は返り討ちにした   そうする事で俺は、"孤独の世界"を造り上げた   ―"目的"のために   …だが、何故か未だにごく一部"例外"は存在し続けていた
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