19.空の音

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「いらっしゃいませ~」 なんで今回に限って…、数時間前に来たときには挨拶なんかなかったのに。 その声を聞き、お菓子コーナーにいた大河は顔をあげた…。 ―― 「お、おぅ…!」 「久しぶりね…」 少しの沈黙。 そして、雑誌コーナーから戻ってきて大河に気付いた遥は丁寧にお辞儀。 「あっ…大河先輩!あけましておめでとうございます!」 「えっ…うん、おめでとう!」 大河もお辞儀…。 なんか俺はおめでとうございます!なんて言うタイミングは失ってしまった。 「光輝くん!欲しい雑誌なかったから先に帰っておくねー!」 「えっ…あ、おぅ。…わかった……」 何で帰っちゃうんだよ!とか思ったけど、帰るって言っているのを引き止めるのもなんか変だし…。 ――少し気まずい中、お菓子コーナーを見ている俺と大河。 「…何か買いにきたの?」 「いや…、ちょっと飲み物を買いにきたんだよ!」 「そうなんだ」 会話終了…。 いやいや、これじゃダメだろ。 「あのさ…このあと、少し時間あるか?」 「うん、あるけど…どうして?」 「少し話あるんだよ」
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