序章1・停滞と躍進と独立

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この出来事は世界中に伝えられ、人々が失っていた夢と希望と明日、そして未来を与えた。 停滞していた人々の精神は再び前進することとなる… 2138年、国際月面基地の完成をかわきりに宇宙分野の活躍や、2189年に国際連合を発展解消させた世界連邦の誕生により、今だ続いていた小規模の紛争は著しく減少していった。 この時代に一番注目されたのは2198年に発表された光の約100~120分の1のスピードで航行が可能な極めて初期の“ワープ理論”であった。 “暗黒の時代”はもはや旧時代のこととなり、停滞していたかの時代と比較しこの時代は“躍進の時代”と呼ばれるようになる。 “躍進の時代”は長く続くこととなるが、初期ワープ理論が発表されて約90年の後、“時間並列式ワープ理論”が発表された。 この理論は、ワープ理論がかつてアインシュタインが発表した相対性理論を幾つか無視し机上の空論であるのを改良したものである。 相対性理論との整合性を調整し、何度とない実験の繰り返しにより誕生した。 この理論では、初め光の約200~300分の1の航行能力しかなかったが、改良に次ぐ改良。世界連邦政府からの援助。技術の革新により航行能力が上昇していった。
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