0人が本棚に入れています
本棚に追加
女がお風呂の湯船に浸かっています。
疲れているようです。
長いため息を何度も何度も繰り返しています。
その度に湯の水面から立ち上がる湯気が大きく揺れたりします。
それを見て女はまた大きなため息をしました。
しかし、長い間浸かっていたから湯も冷めてしまい湯気が上がりません。
女はまた大きくため息をつきました。
水面に映った自分の顔が揺れました。
お風呂から出た女は寒いにかかわらずベランダに出て、また大きくため息をつきました。
その白い息はお風呂の湯気のように中々消えることなく夜空に登っていきました。
最初のコメントを投稿しよう!