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ある学校に水筒がありました。
2L入る大きい水筒でした。
同じくこの学校にストーブもありました。
教室中すぐ暖める機能性に優れたストーブでした。
同じくこの学校には筆箱もありました。
大きくペンやら何やらと色々入る筆箱でした。
このストーブ、水筒、筆箱がある教室の一番窓側の列の一番前に非常に可愛い女の子がいました。
女の子は少々大人しいですが、性格もよく容姿もいいので男女問わず人気がありました。
もちろん人間以外からもです。
ストーブ、筆箱、水筒は周りより自分は優れていると自負していたために誰が一番女の子の役に立つか勝負しました。
夏に水筒は有利でした。
放課の度に女の子は水筒の中の冷たいお茶を飲みました。
ですが冬になると水筒の出番はなくなりストーブが有利になりました。
放課の度に集まった中に必ず女の子はいました。
ですが、筆箱は季節を問わず女の子のものでした。
女の子のペンやらハサミやらの私物は筆箱の中に溢れていました。
筆箱は誇らしげに毎日毎日使われていました。
そんな筆箱をストーブと水筒はうらやみました。
ですが、筆箱はサイズが大きいので机に入らずいつも机の上に置かれました。そのためいつも誰かが引っかかり筆箱は何度も床に落ちました。
しばらくすると筆箱はボロボロになり女の子は筆箱を捨ててしまいました。
そして、ストーブと水筒は思いました、
「夏にも使われなくて良かった。」
「冬に使われなくて良かった。」
と。
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