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北海道、最北端の地
そこに、彼は居た
――キィィイン!
???「センター!」
センター「おうよ!」
――ポロッ
センター「あら?」
敵監督「落としたぞ!
三つ行けるぞ三つ!」
――ワー!ワーワー!
地区最弱の『帆丹中学』
そこに彼は居た
センター「す、すまん……」
???「気にすんなって♪
次は頼むぜ♪」
センター「高嶺……」
エースピッチャー、高嶺 啓太(たかみね けいた)
この中学に来てから一度も勝ちに恵まれないピッチャー
いや、今まで野球をやって来て一度も勝ちに恵まれないと言っても間違いでは無い
とにかく、入ったチームはすべてがお粗末だった
バットはまともに振れない、フライをボロボロ零す、ルールが分からない
そんな選手ばかりだった
この日も地区予選一回戦であっさり負け、高嶺達三年の中学野球は終わりを告げたばかりだった
この時ばかりは、いつも笑顔の高嶺すらも涙した
3年間が、もう終わったから
残すは、高校受験だけとなった
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