ガラスの扉 Ⅱ

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そんなこと言われても… 迷ってるヒマはなかった。とりあえず目の前の扉から。 ドアノブを回して、ゆっくり開けた。 『っえ…?』 そこは 『克也ん家じゃん』 普通に いつものところにTVがあって、まだ寒いからコタツあって、コタツには座椅子付き。その座椅子に、 『座って寝てんじゃん…』 普通に。座って寝ていた。TVにはキングダムハーツⅡのロード画面と曲が出ている。 ピアノの旋律は心地良かった。 『おーい。克也さーん。起きてー。』 こんなカンタンでいいのか…克也が目を覚ました。 うっすらとまだ眠そうな目で私をみた。 克也と目があった。 その瞬間 克也の身体は銀色の鏡の蝶の大群となり、崩れ、舞い、消えていった。 その光景は、ピアノと実によく合っていたが、私の中で旋律は戦慄と化した。
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