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何が起きたのか解らなかった。
克也が消えてしまうと、部屋の外に自動的に出ていて、扉は光に溶けてしまった。
その時分かった。
『ハズレだ…』
余りにも、克也自体がリアルで、触った感じと暖かさもそのままだから、
失敗が怖くなった
次の扉に手をかけた。
やはり同じ部屋。
克也は寝てる。
『起きて!克也…』
揺さぶると、さっきと同じ目でみた。
少し間があって安心した
『克也…』
のも、つかの間だった
克也の像は鏡となり、砕け散った。破片は空高く舞い上がって行った。
『外した…』
また
『なんで…』
難しい
…嫌だった。これ以上大切な人の形が壊れていくのを見るのは…
『辛いよ…』
泣いているヒマもない。
次の扉に行かなければ。
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