ガラスの扉 Ⅱ

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何が起きたのか解らなかった。 克也が消えてしまうと、部屋の外に自動的に出ていて、扉は光に溶けてしまった。 その時分かった。 『ハズレだ…』 余りにも、克也自体がリアルで、触った感じと暖かさもそのままだから、 失敗が怖くなった 次の扉に手をかけた。 やはり同じ部屋。 克也は寝てる。 『起きて!克也…』 揺さぶると、さっきと同じ目でみた。 少し間があって安心した 『克也…』 のも、つかの間だった 克也の像は鏡となり、砕け散った。破片は空高く舞い上がって行った。 『外した…』 また 『なんで…』 難しい …嫌だった。これ以上大切な人の形が壊れていくのを見るのは… 『辛いよ…』 泣いているヒマもない。 次の扉に行かなければ。
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