第一話 ラブレター?

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「ねえ陸、そろそろ中間テストだよ。勉強してる?」 「いんや、赤点さえ取らなければいいかなって」 「その考えは一番危険だと思うよ」 「そうだよなあ、赤点取ると部活できないからなあ」 「ちゃんとやらないとダメだからね。おばさんとおじさん怖いんでしょ」 「悪けりゃメシ抜き一週間ってこともあるからな。今度どこかで勉強会でもするか?」 「勉強会かあ、まあ陸がやる気になるんだったらいいけど」 「部活もそろそろテスト期間でできなくなるし、その時間を勉強に回すってことで」 「わかったよ。それじゃあ他にも人誘おうか?」 「だな。要にも訊いてみろよ。あいつは部活やってても頭良いからな」 「それは陸が勉強しないだけ」 「反論できん」 机から教科書を取り出していると、床に何かが落ちた。   陸がそれを拾い上げ、顔の筋肉をニンマリと変えて、落ちた物をボクに見せる。 「ほらよ」 「何?」 それを受け取り、ボクは顔を引き攣らせた。 「ラブレターだな」 「いつのまにこんなものが・・・・・・」 教科書で押し込んでしまったために、封筒がクシャクシャになってしまっていた。
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