第一話 ラブレター?

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ボクはその手紙を広げる。 内容はやはり・・・・・・ 「あなたを一目見たときから好きになりました・・・・・・あれからいつもあなたを目で追う日々・・・・・・朝いつもジョギングをしているあなたを見て・・・・・・」 「青春だな~」 「これ陸がイタズラで入れたんじゃないよね?」 「そんなことするかよ。ラブレターのイタズラほど悪趣味なものはないだろ」 「じゃあ、本当のラブレター?」 「机の奥に入ってるってことは、結構前のものじゃないか? 日付とかは?」 「ないけど・・・・・・この字は男子のものじゃないような気もするんだけど・・・・・・」 「歩にも春がきたんだな」 「やめてよ。名前もないし、誰なんだろ?」 「ラブレターをもらった経験は?」 「ないよ。同じ男子からなんて」 「ん? お前は女だろ?」 「え? あ、ああそうだった。そういえばボク女の子だったよね」 「その姿で男はないだろ──っておいどうした?」 床に手をついて落ち込んでいるボクを、陸が心配そうに見ていた。 「いやなんでもないよ。ちょっと絶望に苛まれて」 「?」 「はは、ははは・・・・・・はぁ」   ボクは大きなため息をもらした。
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