第一話 ラブレター?

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帰り道、ボクはクシャクシャになった文面をもう一度見直していた。 「いったい誰が書いたんだろ・・・・・・」   ラブレターを見るのは初めてだった。 思えば要に告白した時は文面ではなく口頭で呼び出し伝えていた。 文面で表すなんて、ボクには恥ずかしくてできないことだ。 それにいつ机に入っていたのかもわからない物だ。 書いた本人はとっくに忘れているのではなかろうか?   だとしたらこうして考える必要もないのだが・・・・・・ 「何よそれ?」   不意に声をかけられ、ボクはクシャクシャの恋文から顔を上げた。   そこには二組のクラス委員であり、ボクの恋敵である西条・瞳さんが立っていた。 「西条さん」   彼女の目はボクの恋文に向けられていた。 「へぇ~、ずいぶんと物好きな人がいたものね」 「ムッ、どういう意味さ」   カチンと頭に火花が散る。 西条さんは肩を竦め、 「だってあなたって、様々な男に言い寄っているじゃないの。そんな尻軽に好意を持つなんて、記念物並みの神経の持ち主じゃないかしら?」 「ボクは男に言い寄ってなんかないし、前に比べてお尻は重くなってるの」   出るとこ出てると重くてしょうがない。 「尻軽というのは、そういう意味じゃないわよ・・・・・・」   あれ? ボク何か勘違いしてる?   本気で西条さんが呆れている。
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