第一話 ラブレター?

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「ただいま~」   両親は共働きで夜にならないと帰ってこないため。 家にいるのはボクと弟の荘真。 そして居候の赤堂・深咲ちゃんの三人だけだ。   すでに荘真と深咲ちゃんは帰ってきているようだった。 二人の靴が並んで置いてある。 「二人とも部屋かな?」   靴を脱ぎ、ボクはリビングに入った。 するとそこには荘真がいた。 「おかえり」 ソファでテレビを見ながら、こちらには見向きもしない弟。 「ただいま、深咲ちゃんは?」 「二階にいるんじゃないか? さっきからやけに静かだ」 「そうなんだ。やっと家の工事が始まるんだってね」 「ああ、そんなこと言ってたな」   深咲ちゃんの家は全焼してしまい、彼女の住む家が今はないのだ。   彼女の父親は赤堂記念病院の院長をしているため、ほとんど病院にいるらしく、母親も同じらしい。 ボクの父さんと深咲ちゃんの父さんが親戚同士のため、こうして一緒に暮らしている。 「家ができたら、また深咲ちゃん一人になっちゃうね」 「仕方ないだろ。あいつの家なんだから」 「また燃やさなければいいけど」 「怖いこと言うなよ」   リビングを出て、階段を上がって自分の部屋に入った。   するとそこには私服姿の深咲ちゃんが、座って何かをしていた。 「はい、王手」 「ま、待て! 私はこれでも神なのだぞ!」   ボクはその場で豪快にすっころんだ。
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