第一話 ラブレター?

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物音に気づき、近づいてきたのは二人だった。 「お姉さん、おかえりなさい」 「なんだ歩か」 「なんだじゃないでしょ、堂々とボクの部屋で何してるのさ!」   そこにいたのは深咲ちゃんと、桜の羽衣を纏う巫女装束の神様だった。   ボクは体を起こして神様と深咲ちゃんを交互に見た。 「っていうか深咲ちゃん、この性悪な神様が見えるの?」 『空気でデコピン』 「イタッ!」   鼻っ面が見えない何かに弾かれた。 「にゃにをしゅるのしゃ」 痛みに鼻を押さえるボクに、神様は小さい体でも威圧するようにボクを見下ろす。 「誰が性悪なのだ? 誰が?」 「わからないようなら教えてあげるよ。それはあな────」 『黙っていろ』 「んむぅー!」   口が開かなくなった。 そんなボクを見て深咲ちゃんが、 「本当に神様なんだ」 と無表情ながらも感動の声を漏らしていた。 「だから言ったであろう。力を見せたんだから【待った】をさせろ」 「ダメ。詰みです」 「血も涙もない娘だなお前は」 「これで十連勝」 「十連敗、くそぅ」 「んむぅむぅむぅー!!」 「うるさいやつだなお前は、ほら『話せ』」
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