第一話 ラブレター?

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「やっと話せた。いちいちボクに力を使うのやめてよね」 「やろうと思えば人前で脱げとも言えるが?」 「すみませんでした! どうか私に寛大な慈悲をお与えください!」 「ふん、最初から素直にそう言えばいいのだ」 「いつか羞恥のどん底に突き落としてやるんだから・・・・・・」 「何か言ったか?」 「いえ滅相も」   ボクはあさっての方を向く。 深咲ちゃんは将棋の駒をマス目に並べていた。 「で、今日は何か用なの?」   ボクは制服を着替えながら神様に用件を訊いてみた。 巫女装束の少女は長い髪をベッドに広げながら、スプリングの感触を楽しんでいた。 「ああ、私がいない間に東堂家に来たと聞いてな?」   ボクが神木を切り倒してしまったことにより、神様は家と呼べる場所を失ってしまった。   それからは東堂家で寝泊りしているらしい。 東堂家というのは旧家で、武道を重んじる家柄だった。 その家にボクの好きな人、東堂・要さんが住んでいるのだ。 「うん。でも神様が陽無月神社にいるって聞いて無駄足だったけどね」   陽無月神社というのは、この町で一番大きい神社で、祭りや初詣の名所にもなっている。   その神社には親友の陽無月・千歳が住んでいる。 彼女は生まれながらにして霊力があるらしく、子供の頃から霊などが見えたと聞いたことがある。 その当時のボクは半信半疑だったが、今なら彼女の言葉は信じられる。 何故ならボクもこうして見えるわけなのだから。 「それを聞いて仕方なく私が足を運んでやったのだ」 「そうだったの?」   クローゼットを閉めて、着替え終わったボクは椅子に座る。
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