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放課後────
「陸、ほら授業終わったよ」
ボクは未だに起きない陸を揺さぶる。
「わかってる・・・・・・日本代表になった暁には・・・・・・」
「寝ないと誓って」
後頭部に手刀を当てる。
すると陸がパッチリと目を覚ます。
ボクに振り向き、
「こんな所に桃大福が!」
「目を覚ませ!!」
五冊分の教科書を頭に振り下ろす。
鈍い音と共に机に倒れこむ親友は、瀕死のゴキ○リみたいに痙攣していた。
「ぶば! 歩、お前少しは加減しろ」
「起きた瞬間に人の胸を掴もうとする人にはこれくらいしなきゃダメなの」
陸は机から顔を引き離す。
若干顔が赤いのは寝ていたせいだろう。
「んで、ワールドカップが何だって?」
「いつボクがそんな話をしたのさ。授業が終わったって教えたの」
「ああそうか。今日は部活だから遅くなる。お前と帰れないのは残念だが、寂しがるなよ」
「ねえ、本当に起きてるの? それとも壊れてるの?」
「冗談だ。んで、メジャーリーぶ!」
昔の機械は叩けば直ると聞いたような気がする。
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