軌跡
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出会いは図書館であった。 僕はいつものように小説を綴ろうとして、町の図書館を訪れていた。 この窓際の席は午後になって日が傾くと日差しが入り込んで、机と原稿用紙とが茜に染まる。 その時は決まって筆が絶好調になるのだ。 ゆえにこの窓際の席に愛着が湧いていたのである。 その日も仕上がりを夢みていた。 構成の段取りを図りながらいつもの席に向かうと、まだ開館して間もないのに、すでにあの席が埋まっていた。
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