Prologue

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土砂降りの雨、季節外れこの上ない。 真っ暗な空を見上げれば、目に雨がささる。 桜並木に挟まれた川、暗闇のなか何かの鳴き声がする。 猫がいた。 溺れている。 目をつぶり、神経を研ぎ澄ます。 傘をしてないせいで頭、肩にあたる雨、 その感覚すら消す。 そして、本当に軽く、空気に漂うように 指を動かした。
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