天国を目指して

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それも当然だ。 何しろ彼等は昨日の昼から 何も口にしていない。 母親はいないのだから。 そこを通ったのが、この黒スーツの男。 レナードだ。 ヒョロヒョロと背は高く、痩せ型。 髪は薄く、栗色の髪には白髪が混じり その髪と髪の間からは、 うっすらと肌が見えている この、何処にでもいるような冴えない男。 今日は一段としょぼくれた顔して歩いていた。
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