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服装も普通の人が着れるような代物ではないような服だった
「いやいや、内緒だよじゃないだろ…仮にもオッサン達がお嬢ちゃんを一生懸命探してるんだからよぉ…」
「お兄ちゃんならわかってくれると思ったのに…」
「は?」
「あんな人達嫌いだもん!!」
「……人を嫌うのは自由だけどな、あの黒ずくめのオッサンは…」
「お兄ちゃんの馬鹿!!」
「いきなり!?…どうせ俺は馬鹿だよ…親父も母親も死んじまったのに、葬式にも出ねぇような大馬鹿だ…でもよぉ…お嬢ちゃんはまだ小さいんだから、今のうちに親にワガママを沢山言っとけ…いつまでも親は側にいてくれねぇ…いると思ってるその気の緩みから親が消えた時、すっときえるんじゃなくて、目の前からパッと消えちまうんだよ…」
「お兄ちゃんの言ってるのが分からないよ…」
「分からなくていいんだよ…とにかく今は親に甘えとけ」
「…うん!」
「よし、いい子だ…さぁ、あっちにいるオッサン達のとこにいきな」
そういって黒ずくめの男達の所に向かって歩いて去っていった…しかし
ビビーッ!!
雨の中で人通りも少なく、車も通らない道に車が走ってきた
「お嬢様!!」
黒ずくめの男が叫ぶ声と同時に体が動いた…
無意識に動いた…
頭で考えるよりも体が勝手に動いた…
それから抱きしめて助けたのは良かったが勢いが良すぎたせいか、ブロックに頭からぶつかってしまった…
「お兄ちゃん!!」
「……っ…っ」
話したいけど話せない…頭では大丈夫だと言おうとしているが言うことが出来ない…
しかし、その時の雨が冷たいのではなく…人の体温と同じ位暖かいと思った…
あぁ、雨ってのはこんなにも人に優しいものなんだと実感したのと同時に意識がスッと消えた…
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